藤本青果
Net-Working パーソン to パーソン

(Vol.008)
Uターン勝ち組
「北のフードソムリエ」を立ち上げた北村貴さん

浦幌町で『食』のビジネスを立ち上げた北村貴さん



 東京でネット・ビジネスに成功したのち、北海道にUターン。そして、浦幌町でも起業に成功してしまったという北村貴さん。編集部は、彼女に転進と成功の秘密を伺ってみました。


Q.20年ぶりの北海道だそうですね?

北村:はい、浦幌町という人口6000人弱の田舎町出身でしたので、強烈に東京に憧れていました。

帯 広の高校を卒業すると同時に、なんの迷いもなく、東京の短大に進学しました。当時は腰掛で就職して、いい男をゲットしてそのまますぐに結婚するつもりでし た。(大笑)ですから、就職活動もせず、親の縁故で石油会社に入りました。でも・・・、実は働くって、私が思っていたのとは全然違ったのです!。

Q.仕事が楽しかった?

北村:そ れまでは小学校の延長の中学、その延長の高校、大学生活でした。ところが、新社会人ってまるで赤ん坊と一緒なんですね!高卒も、短大卒も、大学院卒 も・・・全員ゼロからのスタート!!ガソリンスタンドで研修があったのですが、そこの所長さんから販売成績を褒められて、すっかりその気になっちゃいまし た♪


 
ネット・ビジネスに転職したことから人生が一変…

Q.でもその後、転職をされるのですよね?

北村:は い、そうです。石油会社は、やはり縁故と短大卒ということがネックでしたので、自分の行動範囲がものすごく限られていました。ですから、思い切って転職、 転職!女性が活躍している人材派遣業、マーケティング業、そして自分の会社設立と、やりたいことを追い求めてきました。


Q.そんな中、インターネットと出会うのですね?

北村:は い。最初は1992年頃にパソコン通信からスタートしました。当時は今のように携帯電話もなく、仕事でなかなか連絡がとれない私に業を煮やした彼氏が、あ る日「明日からコレで連絡を取る」とパソコンを持ってきたのです。忘れもしない9801nというノートPCでした。「え〜〜〜〜?なにそれ?」っていうの が第一印象。あまりのやる気のなさに商店街でもらったウチワの裏に手順を書いたほどでした。

ところがところが、パソコン=オタクと思っていた私の考えは、あっという間に覆されるのです。

Q.何がそんなに魅力だったのですか?

北村:だっ て人の想いが文字となって返ってくるんですよ!楽しいに決まっているじゃないですか。コミュニケーションツールとしてのネットワークの素晴らしさをしみじ みと感じました。その後、雑誌のHanakoが女性をターゲットとしたパソコン通信サービスを始めるに当たり、お声がかかりました。94年頃だったと記憶 していますが、「オンライン別冊Hanako」というコンテンツを運営し始めるのです。

Q.そしてネット人生が始まったのですね?

北村:そこからは本当にアッという間の10年でした。

当時マーケティング会社に勤めていましたから、ネットを使って情報収集をすれば、活きたデータが集まると思った私は会社に提案をしました。でも、当時、会社でパソコンを使ってネットワークを楽しんでいた人はわずか3人、とても理解されるはずがありません。

そ んな中、「インターネットをテーマにしたラジオ番組をやってみないか?」という話が会社に舞い込んできたのです。「これは!」と思った私達3人はすぐに番 組制作にかかりました。なんと私、DJをやっていたんですよ!!毎週、毎週深夜まで番組制作をする中、もっとネットを生かしたビジネスをやってみたいと3 人で独立を決意しました。

Q.インターネット専業のマーケティング会社としては日本で2番目だったそうですね

北村:はい、そうです。ですから、本当にたくさんの方々からお声をかけていただきました。

写真撮影も納得いくまで… 何でも自分でやってしまう北村さん

Q.お仕事の依頼ですか?

北村:い えいえ、全然違うんですよ。「どうやって生活しているのか?」って(笑)当時、インターネットでは食えないというのが定説でした。私達はユーザーさんから お金をいただくのではなく、発信する情報を加工して、企業からお金をもらうという現在では当たり前のビジネスモデルで会社を設立しました。でも、当時の業 界事情からすれば、本当に異端だったんですね。それでも私達は自分達とネットの可能性を信じて疑わなかったのです。「理由のない自信」みたいなものがあり ました。おかげさまで、8年間、順調にビジネスを続けることができました。スタート当初は、100人の女性とインターネットでマーケティングという大胆さ でしたが、その後メンバーも順調に3万人まで増え、回答率も50%を超えるほどのアクティブさで、企業のマーケティング活動のサポートをしてまいりまし た。

化粧品、下着、百貨店、パソコン・・・華々しい商品の数々をお手伝いさせていただきました。ヒット商品もたくさん生み出すことができました。

Q.でも、それをスッパリ辞めてしまうんですね

北村:そうなんです!私、8年周期で生まれ変わるみたいで、そのときに興味のあることと出会うと、もうまっしぐらです。一番最初にご質問いただいたとおり、今は20年ぶりに北海道に戻り、ECビジネスをスタートしました。

Q.北海道に戻ったきっかけはなんですか?

北村:食 いしん坊だから・・・でしょうか?・・というのは半分冗談で、半分本気。実は、実家の家業として「北のフードソムリエ」というオンラインショップを始めま した。私の実家のある浦幌町は他聞にもれず、過疎化が進む町です。東京にいれば1億分の1人の価値しかない私でも、田舎に戻ると6000分の1人になるの です。遠くから「いつかは恩返しを」と思っていても、いつまでたっても果たせぬ夢でした。それなら思い切って戻ってきちゃえ〜〜って!!

Q.やはり、英断でしたか?

北村:は い、収入も10分の1以下に減りましたし、知り合いは誰もいないし・・・(笑)でも、おかげさまで、同じ志を持つスタッフと出会い、今は新しいビジネスの 基礎を作っているところです。私、人の縁にだけは本当に恵まれているのです。まだまだスタートしたばかりの私に力を貸してくれるスタッフには本当に心から 感謝しています。

Q.北海道で今後はどんな展開を考えているのですか?

北村:ま ずは、北海道の食のプレゼンテーションを。例えばジャガイモ、道内では200種類ものジャガイモが作られているといわれますが、実際に流通している品種は 2~3種くらいですよね?流通事情などによって、制限されている美味しいジャガイモがまだまだ眠っていたりします。それから鮭、道内のスーパーでさえ、輸 入の養殖物を扱っています。それを否定するわけではありませんが、北海道の天然の鮭はアジアに輸出され、私達は養殖モノを食べるなんてやっぱり変じゃな い?子供の頃から地元の鮭を食べて育っていますので、変に脂がベタつかない、美味しい日本の鮭の味を伝えていきたいと思っています。日本人のみなさん、国 産品もっと食べましょうよ。

 
ジャガイモ「インカのめざめ」で作ったスイートポテト

そ うそう、これ、インカのめざめというジャガイモを越冬させて作った、試作のスイートポテトです。すごい綺麗な色でしょ?インカのめざめは掘りたての頃は力 強い土の香りとポクポクした食感が魅力ですが、越冬させると黄色味が増し、ネッチリと決め細やかになり、甘みが増してきます。これはスタッフのお母様の手 作りですが、すっごいイケテますよね!今後は商品化をしてくれるパートナーを探して行く予定です。


Q.北海道に戻ってきて一番感じたことはなんですか?

北村:実は、少し驚いています。意外とみなさん、保守的なんですね。私の中では、北海道ってチャレンジ精神溢れる、というイメージがあったのですが・・・。

ですからたぶん、これから私はたくさんの壁や既成概念にぶち当たるでしょう。

時には、今までは一度も感じたことがなかった、女性であることの不利も、あると思います。でも、それでも、チャレンジし続けたいですね。まずは事実(結果)を積み重ねていきたいと思っています。

例えば昨年、十勝行われたWRC、東京から観に来た友人達は「もっと地元の人と交流したかった、地元のドライバーと交流したかった」と話していました。

だっ たら・・・とBLOGを立ち上げちゃおうかなぁと、計画しています。ITを通じて、コミュニケーションがとれ、現地でオフ会が出来たりしたら素敵じゃない ですか?レストランマップやお土産情報なんかも投稿で集めて・・・。宿が足りないそうですから、ホームステイなども出来るとよいですね。最初は20人で も、30人でも、積み重ねて行くことで、結果を作れると思っています。

Q.今後のビジョンを教えてください

北村:EC の業界に携わってみて、わかったことは「チャネルを開拓しなければ利益は生まれない」ということでした。まだまだこれからの私達ですが、実は今までとは異 なる流通チャネルの構築を考えています。食を通じて、生産者、消費者、その間に入る私達のような仲介者が、それぞれ自ら行動し、お互いがメリットを得られ るような、そんな仕組みを春から準備したいと考えています。

Q.これからが本番ですね、頑張ってください

北村:ありがとうございます!まだまだこれからの私をインタビューで取り上げていただいて本当にありがとうございました。

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http://store.yahoo.co.jp/food-hokkaido/


 

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