藤本青果
Net-Working パーソン to パーソン

(Vol.007)
『cinemacafe.net』新創刊『verita』
株式会社カフェグルーヴの浜田社長をインタビュー



<インタビュー>
株式会社カフェグルーヴ
代表取締役/c.e.o
浜田寿人 氏



“僕の一番の強みは、
コネクション”

 
 今回、インタビューさせていただいたのは、株式会社カフェグルーヴの取締役社長、浜田寿人氏。インターネットの世界では知る人ぞ知る有名人であるが、初 めてこの写真を見た方ならば、“こんなに若い人が経営者なのか”と驚かれるかもしれない。1977年生まれの現在、若干27歳。その事業内容は、コンサル ティング、宣伝・マーケティング展開、デザイン及びシステム構築、コンテンツ制作と多岐に渡る。すでに設立から5年目を迎えた同社は、インターネットの世 界を中心に、常に“新しいもの”“面白いもの”を仕掛け続けるイノベーター的存在。総合映画情報サイト「cinema cafe.net」は、その代表例である。
 うかがったオフィスは、同社が手がける数々のサイト同様、とてもおしゃれな雰囲気。そのセンスの良さが光っている。なおかつ、スタッフの平均年齢が20 代後半ということもあり、若い活気にみなぎっていた。軽快な足取りで部屋に入ってきた浜田氏もまた、一見“ごく普通の青年”……が、話を聞けば聞くほど “ただものじゃない感”に圧倒されるばかりだった。  (取材:R.Uchida)

■カフェグルーヴが生まれるまで

Q:アメリカに留学されていたそうですね。
浜田氏●私自身、海外生活が長くて、高校、大学とアメリカの学校に行っていました。そこが、ITのさかんな学校で、周りにもIT好きな人間が多かったんで す。それが、1996年頃。いわゆる“インターネット”が一般的に使われ始めた時期でした。日本では、メールアドレスといったものも普及していませんでし たが、当時からインターネットの可能性は大いに感じていました。

Q:映画情報サイト「cinema cafe.net」が立ち上がった経緯を教えてください。
浜田氏●もともとは、メールマガジンでした。配信をスタートさせた1997年は、メルマガ配信システム「まぐまぐ」が出来た頃で、小泉首相のメルマガが始 まる少し前。いわゆる“メルマガ熱”が高まる前でした。文章を書くのが好きで、趣味の音楽と映画、どちらかを取り上げようと思いました。ただ、音楽ってな かなか文章表現が難しいじゃないですか。映画であれば、書きやすいし“これなら、メルマガが出せるかな”と…。その後、いろいろな雑誌で取り上げられて、 1999年の「Eメールマガジン大賞」を受賞しました。

Q:カフェグルーヴ設立前は、ソニーに勤務されていましたね。メルマガ大賞受賞がきっかけだったそうですが…。
浜田氏●ソニー本社直轄プロジェクトというのがいくつかあって、僕はハリウッドのデジタルシネマ関連の仕事に携わっていました。デジタル化させた映像を、 人工衛星を介して、各劇場に同時中継する、というハリウッド流通チェーンの構築ですね。キャリア採用されたのが、20歳のとき。とても珍しいケースだった と思います。年齢が一番近い同僚で35歳でしたから。ただ、大企業ゆえ、いわゆる“社内政治的”な部分があったのも事実で、独立……具体的には「シネマカ フェ」の法人化を目指すことにしたんです。一人で何かした方が早いんじゃないかと。そこで2000年に、有限会社カフェグルーヴを設立しました。

Q:
設立当初の核となったのは、やはり「cinema cafe.net」ですよね。
浜田氏●その頃はまだ「シネマカフェ」という名称で、個人的にヴァーチャルな編集部を作っていたんです。編集は、ボランティア体制でしたが、法人格にした 頃から、会社として、媒体力と編集力を育てていくという形に変えました。自己資金を投下して、きちんと運営できるような体制を築いていったんです。 2002年に、インプレスコミュニケーションズさんが運営していた「MOVIE WATCH」と統合し、名称も「cinema cafe.net」に変更しました。僕らにとっては、「cinema cafe.net」は、会社の精神といえるメディア。これを見れば、カフェグルーヴという会社のスタイルがご理解いただけると思います。

■“映画好きはいい人だ”

cinema cafe.net
Q:昨年、大きなリニューアルが行われました。「CELEBLOG(セレブログ)」という、blogを活用した記事掲載がとてもユニークですね。
浜田氏●コンセプトは「映画好きはいい人だ」。映画の感想は、十人十色で「素晴らしい」という人もいれば「いや、つまらない」という人もいる。そこが映画 の面白いところですよね。そういった面白みを語るからには、「この人のフィルターを通していますよ」とはっきりと示す必要があります。だから、blogを 用いて、作品情報以上に、執筆者の方々の素顔を前面に出しています。それを読んだユーザーが、映画館に足を運んでくれる。つまり、「映画を観よう」という 動機を喚起させるのが目的です。人と映画の架け橋的な媒体になれればいいなと。僕自身、映画のあらすじや感想は語るべからず、と思っています。いわゆる映 画評論家とは正反対かもしれないですね。ですから、あまり否定的な文章を載せないし、ランキングもあまり好きではないんです。

Q:
そもそも、浜田さんにとって、映画の魅力とは何でしょう?
浜田氏●映画の一番すごいところって、作品を観た人すべてが、同じ“もの”を共有できる点だと思います。例えば「ゴッドファーザー」を観た、という人たち の間で“別の”ゴッドファーザーって存在しませんよね。これが観劇やコンサートといったライブ表現なら、いつどこで観たかによって、得るものが違ってく る。世界中の人々が、1つの映画を通して、話が出来る点が、すごいことだと思います。僕らのミッションは、人々の生活の中に、いかにエンターテインメント を入れていくか、ということ。感動をより広く共有させたいんです。

Q:
「cinema cafe.net」運営のほか、事業内容は多岐に渡ります。一般の映画ファンにとって、分かりやすいものに、映画製作が挙げられると思いますが…。
浜田氏●2003年に公開されたイラン=日本合作映画「風の絨毯」に製作投資しました。カフェグルーヴが面白いのは、映画業界に対して、いろいろな接点を 持っている点ですね。宣伝であれば、年間に100本近い劇場作品の宣伝を手がけますし、劇場に対してはシネアド(上映前の広告)のデジタル配信サービスを 実施しています。現時点で、製作投資はメイン事業ではありませんが、今後、数本の予定があります。まだ具体的なお話はできませんが…。僕らがきちんと「映 画が生まれる瞬間」を見ていこう、という思いはありますね。

■新創刊 「verita」の魅力

verita
Q:そして、新しい情報サイト「verita」(ヴェリタ)がスタートしました。こちらでも、編集長を務めていらっしゃいますね。
浜田氏●「verita」の前身は、GMOさんが運営していた「Apure」というサイトでした。これをフルリノベーションしたのが、「verita」で す。「cinema cafe.net」に関して言うと、やっぱり映画がテーマなので、どんなに映画から話題を外しても、映画そのものを外してしまうと、サイトとして終わって しまう。もう少し女性にアピールしたいな、と考えたときに、映画はきっかけになると同時に、邪魔になってしまうこともあり、それがジレンマでした。そんな とき、「verita」創刊の話が上がってきたんです。

Q:女性に向けた情報発信。具体的には、どのようなターゲットを想定しましたか?
浜田氏●おおざっぱに言えばF1層(20〜34歳までの女性)で、比較的、可処分所得の高いユーザーです。といっても、ただお金をたくさん使うという意味 ではなく、消費に対して、非常に意識的な方々ですね。僕が女性の消費者が素晴らしいと思うのは、自分たちが好きなものに対して、きちんとお金を払うからな んです。自分の興味、趣味、習い事など自己投資につながるものを、しっかり見極めているといえます。

Q:サイト内にある、ショップにもオリジナリティ豊かな商品が並んでいますね。
浜田氏●商品のセレクションは、私を含めて、編集部で行っています。選考の基準は第一に「ターゲットに響くもの」。もちろん、二番煎じにならないことも重 要です。「verita」の読者は、世界的に見ても、アンテナの感度が高い女性ですから、すぐに“そんな情報、どこにでもある”と見限られてしまう。女性 の情報伝播力は、都市部にいえばいくほど強いですし。当然、編集サイドにはそれを上回る感度が要求されるので、スタッフの大半は、ターゲットと同じ層なん です。

Q:デザイン面のお話をお聞かせ下さい。写真を大きくフィーチャーしたレイアウトは、ほかの情報サイトと一線を画く特長だと思いますが…。
浜田氏●写真には、1枚の瞬間を切り取るだけで、文章にはない強いインパクトがあると思っています。実際、高級な女性誌は、写真を多用していますよね。と ころが、ネット上のサイトとなると、写真が有効的に使われているケースはほとんど無い。ならば、雑誌と同じクオリティで、写真をフィーチャーしようじゃな いか、ということになりました。今では、常時接続が当たり前になっているので、大きな画像を使用しても、あまり問題ありませんしね。

Q:写真そのものに、大きな意味があると…
浜田氏●“verita”は、イタリア語で“真実”という意味です。情報の持っている真実、商品の持っている真実、人の持っている真実。それらを捉える上 で、写真は非常に大きな要素、キー・ファクターなんです。写真はすべて撮りおろし、著名なカメラマンを起用しています。

Q:「cinema cafe.net」と同じく、blogをメインに据えたコーナーがありますね。
浜田氏●「ワールドブログ」というコーナーです。今や、普通に、日本人が世界で勝負できる時代じゃないですか。そんな女性のライフスタイルを、blogを 通して、提示しようというコンセプトです。寄稿していただいている人たちは、皆、世界で活躍しようとしている人、またすでに活躍している人ばかり。そし て、私の友人なんです。暗いことがあっても、常に笑顔で前向きに頑張っている。そういう女性が“ヴェリタな女性”だと思います。

Q:今後の「verita」の展開を教えてください。
浜田氏●4月くらいに大きな発表が出来ると思っています。まだ詳しくはお話できませんが、楽しみにしていてください。

■世界をつなぐコネクション

Q:最後に一言、お願いします。
浜田氏●僕の一番の強みは、世界中に広がるコネクションなんです。だからこそ、“日本だから、ベンチャーだから”という固定概念から脱して、世界の会社とも取引していけると思います。

Q:ウチの編集長とも、お知り合いだそうですね。
浜田氏●えぇ、北海道で一緒にジンギスカンを食べましたよ(笑)。アイスクリームもごちそうになりましたっけ。
蝦夷富士(羊蹄山)の麓を周回して見てまわったり...。
ITのプロデューサーでもある吉田さんとは、東京で仕事している時に時々会食するんですよ。
これまでもいろいろなサイトを仕掛けたり、いろいろな企業のIT顧問などしている大先輩ですが、とっても仲がいいんです。
いつも「よしーださん」とか「隊長!」とかってメールさせてもらってます。



株式会社カフェグルーヴ
http://www.cafegroove.com/

CINEMACAFE.NET - TO BE THE BEST MOVIEGOER
http://www.cinemacafe.net/
(浜田氏のblogもここにあります)

新創刊!『verita』 - 幸せ力を身につける5分の常識
http://www.veritacafe.com/
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